樹脂製品、プラスチックの成型加工会社で、アルバイトとして働いた経験を書きます。
プラスチック加工会社のアルバイト求人というのは、あまり見かけないかもしれません。
しかし、ハローワークで求人検索してみればポツポツと見かける仕事です。
アルバイトの場合軽作業も多く、私が働いていたときも主婦の方などが働いていました。あまり需要はないかと思いますが、誰かの参考になればと思い本記事を書きました。
ちなみに、会社自体は家族経営で従業員が、全部で20人足らずの小さな会社です。その内正社員は、6人だけでした。残りは、私と同じアルバイトかパートの方です。外国人もいました。
プラスチックの成型加工品を梱包し材料を補充するだけ
プラスチックの加工は、射出成型機と呼ばれる機械が自動でやってくれます。
人がやることと言ったら、量産加工前の段取り作業、量産中の機械的な微調整、材料の補充、製品の梱包くらいです。
始めに、射出成型機での加工の流れがどのようなものなのか?簡単に説明します。
米粒状の樹脂の材料を溶かす → 溶かした樹脂を圧力をかけて金型に流し込む → 金型の中で固まった樹脂を、機械が自動で取り出す → ランナーと呼ばれる製品が繋がっている部分を、機械が自動で切断する → 完成
という流れになっています。
流れをみていただければ分かるように、機械がほとんど自動でやってくれます。そして、量産体制前の機械の段取り作業や機械の微調整は、簡単にはできません。
ですから、始めにアルバイトがやる作業は、材料の補充と製品の梱包くらいです。
多少覚えることはありますが、作業自体は簡単なので、すぐにできるようになります。
注意点として、材料が入っている袋は重いです。
私が働いていた工場では、1袋20kg入りの材料を使っていました。20kgを持ち挙げて、乾燥機やホッパーと呼ばれる器に入れるときがあるので、力に自信がない人は厳しいかもしれません。
平凡な頭脳があれば、間違いなく簡単にできる仕事です。
成型加工の工場は24時間フル稼働、数をこなして勝負
私が勤めていた工場では、すべての成型加工機ではありませんが、24時間フル稼働していました。会社が休みの日も、1部の機械は動かしていました。
そして、従業員が交代で6時間おきに、加工が終わった製品の処理と、材料の補給をしていました。
24時間体制ですから、もちろん夜勤担当もあります。
私は、その夜勤担当でした。その当時は長いニート生活で昼夜が逆転し、夜勤が平気でした。そして、アルバイトとしては時給が良かったというのもあります。
社長に話を聞いたら、プラスチック加工業界は、だいたい24時間体制でやっている所が多いとのこと。
製品1つ1つの単価が安すぎて、薄利多売でやっている。とにかく数を作らなければ、まともな利益をあげることができない、と嘆いていました。
たしかに、製品の単価を聞いたら安いな、と感じました。1ヶ数円の売上しかない製品もある、と聞きましたからね。その分、数は毎月10万ヶ近く売れるそうですが。
プラスチック加工の会社でも、もっと上流工程で規模が大きければ違うかもしれません。私が勤めていた会社は、トヨタ自動車の部品も作っていました。ですから、トヨタの下請け企業ということになります。
下請けと言っても、3次下請けでしたので、儲からないのは仕方ないですね。
プラスチック成型機の段取り作業ができれば楽しそう
私は会社が休みの日でも、わざわざ出勤して30分程度の作業をして帰る、というのが嫌で2ヶ月でやめてしまいました。
でも、しっかりと経験を積み、射出成型機の段取り作業ができるようになる。そうすれば、ものづくりが好きな人だったら、働いてみる価値はあるんじゃないか?と感じました。
正社員の方が機械の設定をしたり、うまく作る方法を話し合っているのを聞いて、私は楽しそうだと感じました。
あれこれ試行錯誤しながら、ものやサービスを作りあげるのが好きですからね。
正直、アルバイトが簡単にできる梱包作業や材料の補充作業は、つまらないです。単純作業の繰り返しです。
でも、機械の段取り作業は単純作業ではないので、頭を使うことが好きなら楽しいでしょう。プラスチック成型加工の仕事は、ものづくりの楽しさを十分に楽しめる仕事と言えます。
正社員としてどうしても働きたいなら価値あり
小さいプラスチック加工会社の給料や労働環境といった待遇面は、あまり期待しない方がよさそうです。なぜなら、数を作ってナンボの薄利多売な仕事だからです。
実際に私は、正社員として働いてもらえないか?と声を掛けられましたが、悩むことなく断りました。
夜勤があること。会社の休日でも交代で出勤しなければならないこと。そして、給料が激安だったことです。提示された金額は、高卒の初任給としても安いんじゃないの?と思うほどでした。
この会社が特別に給料が安いだけだったかもしれません。でも、小さなプラスチック成型加工会社は、あまり儲かる仕組みではないことを考えると、どこも似たようなものでしょう。
労働環境もよくなく、給料も安い。いい話はありませんが、正社員として働き、市場価値を高められるスキルを身に付けたい。というのなら、働くのもありだと思います。
特に私のようにロストジェネレーションと呼ばれる、就職氷河期の影響をモロに受けた人は、正社員として働けるチャンスです。
最初は待遇が良くなくても、働きつつ知識や技術、経験を積み上げればステップアップのチャンスがあります。同じ業界、業種限定になってしまいますが、他の会社でも即戦力として働けるスキルを身に付けられるのは、大きいです。
非正規雇用でずっと働くのが不安だという人は、正社員としての求人があれば、応募してみる価値はありますよ。