町工場が経営危機で倒産しかかったときの状況【リアル体験】

働いている会社が倒産したら、困ってしまう人って多いですよね。

ヘッドハンティングされるような実績や能力の持ち主は別ですが、市場価値が高いスキルや職歴がない冴えない人材にとっては、勤め先の会社の倒産は恐ろしいものです。

自分の人生に大きな影響を与えかねない会社の倒産。

最近、会社の経営がよろしくないけど倒産しないだろうか?と気になっている、あなたへ。

本記事では、働いている会社が災害に見舞われて倒産寸前までいった経験がある私が、実際に体験したことを述べていきます。

ちなみに、今現在も会社は倒産することなく存続しています。

そして、私もずっと働き続けています。

いつ倒産してもおかしくはない綱渡り的な状況が続いているのですが、他に条件の良い会社で働けそうもないので、我慢して働いている情けない人間です。

あくまで私の会社のケースなので全てがこの通りだとは言えませんが、小さな会社で働いている人にとっては参考になることが多いはずです。

逆に東証一部上場企業のような立派な会社で働いている人にとっては、参考になることは少ないです。

会社が倒産しそうになると、明らかに今までと違うことが色々と起きますよ。

目次

会社の概要

今回お話しする会社の概要を先に述べておきます。(2019年現在)

〇業種 製造業  〇従業員 50名  〇同族経営  〇創業60年

〇社長は3代目で創業者の孫

無借金経営の健全?な経営体質でしたが、とある災害に見舞われて生産能力がガタ落ち。

一気に経営危機に陥ってしまいました。

小さな会社であるがゆえに潤沢な資金があるわけではなく、従業員の多くが「倒産しても仕方ない」と覚悟を決めていました。

幸い、リーマンショックのような不景気に見舞われながらも毎年確実に利益を出し続けており、銀行から会社再建のための多額の融資を受けることができました。

おかげで倒産を逃れることができ今現在に至る、という状況です。

次からは、災害後に起きた会社の変化や体験したことを述べていきます。

社長の顔つきが厳しくなる

会社に災難が降りかかって以降、社長の顔つきが明らかに変化してイライラしているのが分かるようになりました。

弊社の社長は、どちらかというと穏やかなタイプであまり感情を表に出すタイプではありません。しかし、会社の経営がピンチになってからは会うたびに厳しい表情をしていました。

私の直属の上司も、「長く会社に勤めているけれど今の社長に初めて怒鳴られた」、と言っていました。

厳しい顔つきになるのは無理もないですけどね。

会社が倒産してしまう。このままだと雇用している従業員が路頭に迷うことになってしまう。自分の代で会社がなくなってしまうことに対する罪悪感。

私では想像できないような経営者としての重圧が、のしかかっていたのでしょう。

災害によって取引先から預かっていた備品も消失してしまい、ボロクソに怒鳴られて非難されたという話も聞きました。

このような状況で「明るく笑顔でいろ!」って方が無理です。

でもね、社長は会社が経営の危機になってすぐに従業員全員の前で言ったんですよ。

「従業員のみなさんはファミリーです。全員を大切にしていきます」と。

同族経営の3代目ボンボン社長だけれど、立派な覚悟だなと思いました。

結果としては全従業員の雇用は守れなかったのですが、人を減らさなければ経営が成り立たなかったので仕方ないですね。

派遣を全員解雇する

経営が厳しくなると、リストラなどの雇用調整が行われます。

私が勤務する会社では、派遣の人もたくさん働いていました。割合としては正社員と派遣社員が半々くらいです。

災害によって生産能力がガタ落ちしてしまい、それに伴って今までと同じような従業員の数も不要となりました。

当たり前のことですが従業員の数を減らしたい場合、正社員よりもまずは非正規社員を減らすことになります。

従業員の半数近くを占めていた派遣社員は全員解雇。

仕事ができる人材やキツい仕事でも一生懸命にやってくれている人材も、派遣社員というだけで解雇です。

本音を言ってしまえば、正社員でも解雇してもらいたい人がいたのですが、正社員が強力に守られている日本では仕方ないですね。

このときに改めて、「非正規社員の雇用の不安定さというデメリットは大きいな」、と考えさせられました。

正社員だから雇用が安定しているなんて今の時代には言えませんが、やっぱり非正規社員よりかは大きく安定しています。

社長が銀行によく行くようになる

今までと違って経営者や財務責任者が銀行に行く回数が増えたり、銀行員が会社にくるようになった会社は要注意です。

経営危機になっての社長スケジュールを見たら、毎週のように銀行に行くことになっていました。

今まで融資を受けずに経営してきたので、銀行に行くことなんてほとんどなかったでしょう。

しかし、災害で失った設備を復旧させるための資金集め、融資を受けるために銀行に頻繁に行くことになったのです。

お金は会社を経営する上で生命線ですからね。経営危機に陥っている会社は、必ずお金の面倒を見てくれる銀行との接触回数が増えます。

ちなみに今現在も会社が存続していられるのは、毎年ある程度の利益を出しており銀行に「融資しても問題ない」、と判断してもらえたからです。

小規模な同族企業にありがちな常識外れなところもある会社ですが、売上・利益ともに順調に推移していたのはラッキーでした。

簡単に備品の購入ができなくなる

仕事で必要な備品が、各従業員の勝手な判断で買えなくなりました。

不要なものの購入を抑えて、経費を削減するためです。

正直に言ってしまうと、経営危機に陥る前の会社はドンブリ勘定でした。ですから、備品を購入するにしても本当に必要な物なのかどうかチェックすることもありません。

欲しいと思ったら何でも購入できる状態です。

銀行から備品の購入にムダが多いことを指摘されて、何か購入したい場合にはあらかじめ許可を得るために申請が必要となったのです。

備品の購入に関して「ルールが変更された」ということです。

突然コストを減らし始めるような行動を始めたら、倒産とはいかないまでも経営がヤバいんじゃないのか?と疑った方がいいです。

赤字なのにボーナスが出た

会社が倒産しそうになると、ボーナスなんて出ないと思われがち。でも、ボーナスが出ることがあるんです。

だから、「ボーナスが出ているから倒産する心配はなさそうだ」という考えは危険です。

現実に起こったことですが、私の会社では経営危機以降も夏と冬のボーナスが出ました。生産能力がガタ落ちして、銀行から多額の借金をして赤字だったにも関わらずです。

大企業なら数千億円の赤字を出しても、資本力があるためボーナスが出ることは多いです。しかし、小企業でも以前と同じ額とは言わないまでもボーナスが支給されて、ビックリしました。

授業員のほとんどが「ボーナスなんて出ないでしょ!」と考えていましたから。

社長からハッキリ聞いたわけではありませんが、ボーナス支払いのために銀行から追加でお金を借りていたようです。

ボーナスを支給しないと従業員をつなぎ止めておくことができない、と判断したのかもしれません。

ボーナスの支給はありがたかったのですが、そのお金を人ではなく設備の充実に当てて欲しかったのが私の本音です。

会社がなくなるかもしれない、という危機的状況にも関わらずボーナスを支給してくれるなんてすばらしい会社だ!

とモチベーションを高める従業員がだれもいなかったからです。

倒産の予兆まとめ

小さな会社が倒産しそうになると、どのような動きが起きるのか?私の実体験を述べてきました。

最後にポイントをまとめておきます。

〇社長をはじめとした経営に深く関わる人間の表情が、今までと違って厳しくなる

〇リストラなど従業員の削減を始める

〇銀行との接点が急に増える

〇急に備品の購入ルールが変わるなどして、ムダを減らそうとする動きが出る

〇小さな会社といえども、経営危機にも関わらずボーナスが支給されることがある

会社の経営が悪化すると必ず何かしらの変化が表れるので、「この会社ヤバそうだな」と気付くことは難しくありません。

倒産が分かってから慌てて動き始めるのではなくて、前兆を感じ取ったら早め早めに対策を練っておくといいです。

小さな同族経営の会社ってどうなの?と気になった方は「同族・家族経営の小企業で働くってどうなの?」をご覧ください。

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