工場勤務は底辺なのか?
という疑問に答えるべく本記事を書きました。
私は5つの工場でアルバイトや派遣として働き、今は町工場の正社員として働いています。
そんな経験豊富なベテラン工場ワーカーである私が実体験ベースで、
- 工場勤務が底辺である理由
- 工場勤務が底辺でない理由
を徹底解説。
具体的にどんなところが底辺なのか深くふみ込んだ内容になっているよ
工場勤務がなぜ底辺だと感じられるのか具体的に知ることができれば、自分と工場勤務の相性を知る参考になります。
工場勤務に興味があるのなら、ぜひ最後までお読みください。
工場勤務が底辺だと感じる理由
工場勤務といえば3K(きつい・きたない・きけん)のようなネガティブイメージがあります。
実際に工場で働いていても、
底辺だな
と感じてしまうときがあるのも事実。
なぜ、工場勤務が底辺だと感じてしまうのかを体験談を交え解説していきます。
工場作業は肉体的にきつい
工場の仕事といえば、
- ずっと立ち仕事
- 重いモノを持つ
などがあり、肉体的に疲れてしまいます。
また、工場内は温度管理がしっかりしていないことが多く、夏の暑さや冬の寒さもきつい。
オフィスでのデスクワークに比べたら肉体へのストレスが大きいのは明らかです。
仕事終わりにヘロヘロに疲れ果てている姿に底辺を感じる
職場がきたない
工場の作業場はお世辞にもキレイとはいえないところが多いです。
- 油まみれでベトベト
- モノの削りカスが散らばっている
- 機械や床が黒くよごれている
といったように私がいま働いている工場もハッキリ言ってきたない。
キレイ好きな人にはとても耐えられない環境に底辺を感じる
仕事中にケガのきけんがある
工場の仕事は気をつけないとケガにつながることがあり、きけんな面があります。
- グラインダーで研磨していたら自分の指を削ってしまった
- ドロドロに溶けたステンレスが足にかかって大やけどをしてしまった
- 重いモノを足に落として骨折してしまった
すべて私がいま働いている工場でリアルにあったことです。
ケガの危険がある仕事に底辺を感じる
夜勤がある
工場の中には夜も稼働しているところがあり、交代勤務や夜勤があります。
人は昼に活動して夜は寝るのが基本であり、夜勤をイヤがる人も多い。
みんなは気持ちよく寝ているけど働かなきゃいけないことに底辺を感じる
かしこい人が少ない
工場といえば低学歴の集まり(とくに町工場)。
いまは大卒の工場ワーカーも増えていますが、高卒がメインで中卒もいます。
低学歴な人はかしこい人が少なく、仕事に対する意識も低い。
そして、頭おかしい人とかやばい人が多め。
酒、ギャンブル、女の話で盛り上がる姿に底辺を感じる
コミュニケーションが苦手な人が多い
工場の仕事は人とあまり関わらなくてもいいイメージがあるので、コミュニケーションが苦手な人が集まりがちです。
- 1人でもくもくと作業できるのがいい
- 人ではなくモノや機械の相手をすればいいから楽
こうした理由で工場勤務を選ぶ人も少なくない。
私がいま働く工場には、
- あいさつもまともにできない
- 仕事に必要なコミュニケーションも満足にとれない
人が複数います。
朝のあいさつで「ウス」「オッザースー」と聞こえてくる状況に底辺を感じる
工場の派遣は底辺イメージがとくに強い
製造業である工場は景気に仕事が大きく左右されるので、雇用調整がしやすい派遣が活躍しています。
工場の派遣は特別なスキルや経歴がなくても就職しやすいのがメリットですが、
使い捨てにされる
など底辺イメージも強い。
工場勤務の中でも派遣がより底辺だと思われがちな理由を解説していきます。
工場の派遣は単純作業員
派遣といってもIT企業などで働くには専門的なスキルが必要とされます。
しかし、工場の派遣求人では専門的なスキルが必要とされないことが多い。
専門的なスキルがなくてもできる単純作業者として期待されているから
毎日ひたすら単純作業ばかりやっているとスキルアップができず、いざ転職しようとするときにとても苦労します。
派遣は都合よく使われる存在
工場で働く派遣に対して企業は「忙しいときのお手伝いさん」という認識が強いです。
工場の派遣は景気がわるくなってひまになったら簡単に解雇されてしまう
会社のために必死でがんばって働いていても、用が済んだら簡単にポイ捨てされるなんて悲惨です。
ライン工は作業ロボットと化す
派遣の求人でよくあるのが、工場で流れ作業をするライン工。
- 1日ずっと同じ作業のくり返し
- だれとも会話をすることなく、もくもくと作業をこなす
など、働いていると「自分がロボットになった」ように感じることがあります。
ライン工は求人も多く就職しやすいのがメリットですが、きついことが多く底辺だと感じやすい。
町工場のイメージは底辺ブラック
同じ工場勤務でも大企業の工場と町工場で働くのとでは違いがあります。
町工場は製造業界における小企業のこと。
どんな業界でも小企業はブラック率が高い
工場勤務の中でもより底辺だと感じやすい町工場について解説していきます。
給料が安く仕事はいそがしい
町工場といえば大手企業の下請けとして、なんとか経営しているところが多くあります。
たとえば、自動車業界などは下請けがいくつもあって成り立っているのですが、下にいけばいくほど利益率が低くなり儲からない仕事をせざるえない状況。
最底辺の町工場は1つ1つの仕事単価がかなり低いため、数をガンガンこなして勝負
大企業の工場よりも忙しく働いているのに給料が安い町工場は、めずらしくありません。
守るべきルールが守られない
町工場のなかでもとくに規模が小さい家族経営の企業は、労働基準法など守って当たりまえのルールが守られていないことがあります。
- 「機械のようすを見ながら休憩してくれ」といわれる
- 有給休暇をとることが許されない
- 出勤時間の30分まえに社内の掃除をやらされる(給料はでない)
すべて私が過去にアルバイトとして働いていた家族経営の工場でリアルに体験したことです。
町工場のなかでも従業員の半分以上を経営者一族がしめているところは、底辺だと感じることが多い。
正社員でも非正規と変わらない
町工場の正社員はアルバイトや派遣といった非正規と同じような待遇になる可能性があります。
- 基本給が安くボーナスがない
- 会社の倒産リスクが高く雇用の安定性がない
など、正社員ならではのメリットを感じられないこともめずらしくない。
非正規とたいして変わらない町工場の「なんちゃって正社員」は底辺といえます。
工場勤務が底辺だと思えない理由
ここまでは工場勤務が底辺だと思われても仕方ない理由を述べてきました。
次からは工場勤務が底辺だと断言できない理由を解説していきます。
世間の工場勤務に対するイメージがすべて正しいとはかぎらない
大企業の正社員として就職できれば勝ち組
工場勤務といえど大企業に正社員として就職できれば、たとえライン工や現場作業員であっても勝ち組気分を味わえます。
- 給料が高めで安定している
- 年間休日が120日以上ある
- 大企業ならではの充実した福利厚生がある
など、底辺ブラックとは言えない待遇で働くことができます。
とくにやりたいことがなく工場内作業がイヤでなければ、大企業の工場は超おすすめ。
派遣や契約社員じゃ底辺だからダメだけど・・・
勤務時間や休日管理がしっかりしている
製造業である工場勤務は販売サービス業などと比べてプライベートの時間が確保しやすいです。
- 工場の稼働スタートとストップにならって勤務時間が決まっている
- 土日祝日は休み、GW、お盆、年末年始などの長期連休がある
- 工場でないと仕事にならないので家に仕事を持ち帰ることがない
など、長時間労働になりにくい。
工場勤務は趣味や副業の時間をとりやすい仕事といえます。
すべての工場が3Kではない
工場勤務の底辺イメージは3K(きつい、きたない、きけん)によるところが大きいです。
しかし、
- 品質保証や設計開発などのデスクワークならば肉体的にきつくない
- 精密機器工場のクリーンルームはきたなくない
- 小型家電の製造ラインはほぼきけんでない
など、3Kにあてはまらない工場もあります。
町工場でもホワイト企業は存在する
町工場は小企業であるがゆえに底辺ブラックが多いのは事実です。
しかし、人によっては働きやすいホワイトだと感じる町工場も存在します。
私は町工場で働いているけれど満足しているよ
下記の記事で私が町工場に就職してやめずに働いている理由や、ホワイトな町工場の選び方を解説しています。
転職に有利なスキルアップも可能
工場勤務が底辺だと思われる理由の1つに、
バカでもできる単純作業のくり返しでスキルが身につかない
があります。
しかし、工場での仕事すべてが単純作業のくり返しではありません。例えば、
- 機械工や溶接工
- 品質保証や生産技術、設計開発
といった仕事なら専門的な知識、技術を身につけることが可能。
工場勤務でも単純作業員でおわらなければ、転職で有利なスキルを身に付けられます。
まとめ:工場勤務が底辺かどうかは人と環境による
工場勤務が底辺だと決めつけることはできません。
- 働く人の性格
- どんな工場で働くか
- 正社員か非正規か
など条件によって感じ方がちがうから。
世間は工場勤務=底辺イメージが強く、私も実際に働いていて底辺だと感じることがあるのは事実。
しかし、工場で働いている人は世の中にたくさんいます。
私は大卒でありながら町工場で働いていますが、それなりに満足して工場勤務をつづけています。
仕事が自分に合うか合わないかは実際に体験してみないと分かりません。
- モノづくりがイヤじゃない
- 接客業や営業職など対人コミュニケーションスキルが必要な仕事はイヤ
- ダラダラ長時間労働せずプライベートの時間をできるだけ確保したい
といった人は、世間の底辺イメージなど気にせず工場勤務を考えてみることをおすすめします。